ふたりはもういちど話し合った。ふたりの性格や価値感をいまさら変えるわけにはいかないので、お客さんがどうして欲しいのかという視点でみることにした。お客さんが望んでいるのは、もっとおいしい料理が食べられることと、さらに気持ちのいい接客を受けられることだ。お互い、相手の持ち場を勉強するより、自分の持ち場をもっともっと磨いたほうが顧客満足につながることに気付いた。
英二は料理5接客1だから接客を2にすることより料理を6にする努力をする。洋子は接客5料理1だから、料理を2にすることより接客を6にする努力をすることにした。そう決めて実行、しばらくするとお客様からの、「最近、また一段とおいしくなったねえ」という反応。お互いが5と2であるより、6と1であったほうが、お客様は喜んでくれることがはっきりわかった。
では、ふたりの協力はなくていいのかということだがそうではない。洋子は接客の際に、英二から教わった素材や料理法の解説を付けることで接客力を上げた。英二は洋子から、顧客の増やして欲しいメニューなどを聞くことで、料理の工夫を続けていった。
パートナーの弱みをみると、関係が悪くなるばかりではなく、顧客満足を上げていくこともできなくなる。企業の価値は、その企業なりの最高のものを更に上げることでのみ、上積みすることができる。強みに視点をあわせる経営が求められる。
2007年01月02日
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